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SEOのこと。改めて。ゼロクリック検索ってご存知ですか?

こんにちは。タナカラの中村です。
SEOのこと。改めて。今回は「ゼロクリック検索」について。

ということで早速ですが、「ゼロクリック検索」ってご存知ですか?「知らない」「聞いたことない」という方も、気づいていないだけで、実は毎日のように体験しているはずです。

ゼロクリック検索ってなに?

「ゼロクリック検索」とは、ユーザーが検索結果ページだけで欲しい情報が得られて、サイトリンクをクリックしなくなる検索行動のこと。

例えば

  • 朝、天気が気になって「松本市 天気」と検索すると、その日の天気予報を最上位に表示
  • 昨今の円安傾向の中、今の為替レートを知りたくて「ドル円」と検索すると、現在の為替レートを最上位に表示
  • 「iPhone17 発売日」と検索すると、検索画面最上位にGoogleのAI Overviewsが回答
  • 「松本市 カフェ」と検索すると、GoogleビジネスプロフィールをGoogleMapsを使って表示

などなど。

「松本市 天気」で検索してみました

ユーザーは便利だけど、ホームページ運営者は「アクセスが・・・」と頭を抱える。これが「ゼロクリック検索」です。

しかも、アメリカの調査会社SparkToroの2024年のデータによると、アメリカとEUでGoogle検索の約60%がゼロクリック検索で、2025年には70%を超えると予測されているとか。日本国内でもAI Overviewsの本格導入が2025年3月に始まり、同様の傾向が報告されているそうです。

How AEO Can Help With Zero-Click Searches: Reclaiming Visibility in 2025

こうなると、アクセスが減るだけでなく、お問い合わせがこない、売上につながらない・・・
ホームページ運営者にとっては由々しき事態、もはや待ったなしの課題だと言えます。

これまでの検索とゼロクリック検索の違い

どんな影響が?ゼロクリック検索のメリット/デメリット

まずはゼロクリック検索のデメリットから。

  • トラフィックの減少
    何と言ってもアクセスが減ります。
  • データ不足
    アクセスが減ると、ユーザーの行動分析も難しくなります。
  • 競争激化
    ゼロクリック枠に選ばれるために、さらなる対策・工夫が必要になります。

一方で、ゼロクリック検索にはメリットもあります。

  • ブランド認知の拡大
    Googleがあなたのサイトのコンテンツを「回答」に選べば、社名やサービスがユーザーの目に留まります。
  • 信頼性の証明
    GoogleのAI Overviewsやナレッジパネル(検索結果画面の上部のボックス)への表示は、コンテンツが認められた証です。
  • 質の高い訪問者の獲得
    ゼロクリックで満足しない、さらに深い情報を求めているユーザー、購買意欲の高いユーザーからの訪問が見込め、コンバージョン率アップの可能性が高まります。

特に最後のポイントは重要です。アクセス数は減るかもしれませんが、その質は上がる可能性があるということです。

ゼロクリック検索、どう捉えるべき?

「クリックされないならSEOは終わり?」と思うかもしれません。
ですが、ゼロクリック検索は、Googleの役割が大きく変わったことを示しています。

これまでのGoogleは「ユーザーが求める情報があるサイトへの道案内役」でした。しかし今や「ユーザーが求める回答そのものを提供する存在」へとシフトしています。
検索結果ページの最上部や右カラム(PCの場合)で直接回答を表示する機能(AI Overviewsや強調スニペット、ナレッジパネルなど)が次々と登場しているのは、まさにその表れ。

この変化は、Webサイト運営者にとっては確かに脅威です。ですが同時に、Googleに「回答の情報源」として選ばれることの価値が高まっているとも言えます。

簡単な質問への回答として自社の情報が表示され、ブランド名やサービス名が認知される。そしてより深く知りたいユーザーがサイトを訪れる。
こう考えれば、アクセス数は減ったとしても、質の高い訪問者を獲得できる可能性があります。

むしろ怖いのは、Googleの回答として認知されない、そして、ゼロクリックで完結する程度の薄い情報しか提供できていない場合です。

基本的な情報はもちろん、より深い知識、独自の視点、実体験に基づくアドバイスなどなど、そのサイトを訪れないと得られない価値を提供できているか、それが勝負の分かれ目となってきます。

そのためにはやっぱりSEO。どこまで行ってもSEOです!

この3つは欠かせません。
そしてアクセス減少対策として、SNSなどの検索以外のチャネルからの流入対策も抜かりなく。

「ゼロクリック検索」によるアクセス数の減少は、ホームページ運用者にとってはリスクかもしれません。ですが、大切なことは「クリック数」や「PV」といった数字を追いかけるのではなく、どうすればユーザーに価値ある情報を届けられるか。そして、いかにして質の高い訪問者を獲得し、コンバージョン率を高めるか、ではないでしょうか。

タナカラでは、ゼロクリック検索の時代にも対応したウェブサイトの制作とSEOをサポートしています。「うちのホームページは大丈夫なの?」と気になる方、お気軽にご相談ください。